ウルトラセブン（うるとら せぶん）

大人気特撮ヒーローシリーズの第3弾－ウルトラマンシリーズとしては第2弾－であり、そして極めて異彩を放つ作品として知られている傑作です。
ウルトラマンシリーズは数多く存在していますが、初代ウルトラマンと比べて比較的大人向けに楽しめる世界観やキャラクター、そして重厚かつ悲劇も織り交ぜられたメッセージ性の強いストーリーなど、本作をウルトラシリーズの最高傑作だというファンも非常に多いのが特徴ですね。実際、主役ヒーローの姿かたちもその後登場するウルトラマンたちとは異なり、アイスラッガーという特殊な頭部の武器兼装飾、ウルトラマンたちが共通して持つ胸元のカラータイマーが存在しない、主人公はヒーローのセブン自身が地球人の姿に化けているだけだということなど、いまのウルトラシリーズと比べてもたしかに異質です。

本作は自然保護、戦争への否定、人種差別への問題提起など様々なメッセージが各エピソードに秘められており、それゆえに以後封印されてしまったエピソードも多いことでも知られています。放送されたのは1967年からと、やはり1960年代。当時戦争の終結から20年が経過したことで、戦争の記憶の風化が始まりつつある時期であったことも、そのメッセージ性が強調されたきっかけだたのかもしれません。敵も初代マンと比べて明確な意志を持つ「宇宙人」となり、地球侵略を企んでいるという面が描かれたことで、地球人との大きな軋轢などが描かれていきました。
また、地球人類そのものが実は「悪」ではないのか、というテーマで描かれたエピソードも存在するなど、一概に子供向け特撮ヒーローというくくりに収まるものではありません。子供たちと一緒に、ソファでじっくりと視たい。そう思える傑作特撮ヒーロー作品です。

監督

円谷一 ほか

製作

円谷プロダクション、TBS

放送期間

1967年10月1日 - 1968年9月8日

話数

49