機動戦士ガンダムUC（きどうせんしがんだむゆにこーん）

作品情報

小説家の福井晴敏によって執筆された"大人向けガンダム"のアニメ化作品。
往年のガンダムファンから愛好されている宇宙世紀シリーズの最新作として注目を集め、年に1度のペースで公開されるたびにネット上が大騒ぎになっている。

宇宙世紀シリーズという、いわゆる"UC神話"の一翼を担う作品だけに厳しい評価を受けがちだが、非常にハイセンスなモビルスーツ造形と、ガンダムOOやSEEDとは異なる、どこか古臭さを感じるキャラクターに魅力を感じるファンも多い。
「ラプラスの箱」という謎の遺産をめぐり、主人公のバナージ・リンクスがネオ・ジオンと地球連邦、そしてビスト財団という3勢力の戦いに巻き込まれていくという物語が展開されていく。プルシリーズやモビルスーツ「クシャトリヤ」の開発思想、およびヒロインであるオードリーことミネバ・ザビなど、同じく宇宙世紀シリーズの「機動戦士ガンダムZZ」をベースとした設定も数多くみられる。
新訳ZでZZがなかったことにされてしまったことに心を痛めていたZZファンにとっては、「こんなに嬉しいことはない」といったところ。
また、赤い彗星シャア・アズナブルを思わせる謎の仮面キャラクター、フル・フロンタルやブライト・ノアらも登場し、随所でファンを喜ばせてくれるこころにくい演出がみどころだ。

ちなみに主役機のユニコーンガンダムがオーパーツ過ぎるうえにオカルトすぎるという指摘もある。
とはいえ、オーパーツといえば、「0083」のGPシリーズは総じて超高性能機だったし、ZやZZではビームをはじく謎のパワーが登場、逆襲のシャアではアクシズをアムロ・レイとνガンダムが人の心の光で地球直撃コースから逸らしたりもしているので、宇宙世紀シリーズをよく知るファンならさほど気にしないだろう。

バナージの「撃てません！」やリディ少尉の「可能性に殺されるぞ！」などの名セリフは今後もガンダム史に残っていくのではないだろうか。

『機動戦士ガンダムUC』とは、福井晴敏の小説及びこれを原作としたアニメである。原作小説は角川書店『ガンダムエース』にて2007年2月号から2009年8月号まで連載されていた。単行本全10巻が発売中。

人気作家＋宇宙世紀ガンダムという組み合わせは功を奏して、単行本の発行部数は全10巻の累計で200万部を突破している。

キャラクターデザイン：安彦良和
メカニックデザイン：カトキハジメ
挿絵：連載第9回まで安彦良和、10回から虎哉孝征

なお、コミカライズ版「機動戦士ガンダムUC バンデシネ」の作画は大森倖三に決定、ガンダムエースにて2010年3月号より連載中。単なるコミカライズにとどまらず、原作・アニメとも異なるオリジナル展開を見せている。

文庫版は、角川文庫版・スニーカー文庫版の2形態で発売されており、角川文庫版のカバー絵は加藤直之、スニーカー文庫版のカバーは美樹本晴彦が手掛けている。

『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』から3年後の宇宙世紀0096年が主な舞台となる、宇宙世紀ガンダムの新作である。物語は宇宙世紀元年から始まり、その年に起こった、宇宙世紀誕生や一年戦争の発端にも関わるラプラス事件が物語の中核になる。

従来のOVAシリーズと異なり、ニュータイプが本編の世界観を支える一要素として取り入れられている。また、「Z」「ZZ」など過去作品からの設定が、一部の登場人物および機体等に反映されているのも特徴。

2010年春から“クロスオーバーコンテンツ”と称して映像化され、期間限定での劇場上映やBlu-ray Discの先行販売、PlayStation Storeでの先行配信、さらにBDには英語吹き替えの収録や五ヶ国語の字幕が付くなど、様々な視聴形態で全世界的な展開を目的とするコンテンツとなっている。

「episode 1:ユニコーンの日」2010年2月20日公開（BD/DVD一般発売は2010年3月12日）。
「episode 2:赤い彗星」2010年10月30日公開（BD&DVD一般発売は11月12日）。
「episode 3:ラプラスの亡霊」2011年3月5日公開（BD＆DVD一般発売は4月7日）。
「episode 4:重力の井戸の底で」2011年11月12日公開（BD&DVD一般発売は12月2日）。
「episode 5:黒いユニコーン」2012年5月19日公開予定（BD&DVD一般発売は6月8日）。

なお映像化決定以前から、ファンの手により非公式OPなどが作成されていた。